Claude Codeを使い始めた頃、私は「市場調査もして、記事も書いて、画像も作って、投稿もして」と、すべての作業を1つの会話の中で順番に頼んでいました。最初はそれで十分便利だったのですが、記事の本数が増えるにつれて、だんだんと違和感を覚えるようになったのです。前の作業の指示が残ったまま次の作業を頼んでしまい、内部リンクの確認を忘れたり、画像のテイストが記事ごとにバラバラになったり。原因は明らかで、1つの会話に全部の役割を詰め込みすぎていました。
そこで思い切って、Claude Codeの中に「市場調査担当」「執筆担当」「画像担当」「投稿前チェック担当」など、役割ごとに分かれた8人のAIエージェントを作り、このサイトの記事制作を丸ごと任せる体制に切り替えました。この記事では、実際にどんな体制を組んだのか、何が変わったのか、そして自分のブログでも真似できる始め方を、運営者本人の実体験として紹介します。
なぜ「1人のAI」から「8人のAIチーム」に変えたのか
Claude Codeは1つの会話の中でどんな作業でもこなせてしまうので、つい欲張って何もかも同じ流れで頼みたくなります。ですが、会話が長くなるほど、直前まで扱っていた作業の文脈が残り続け、次の作業に微妙な影響を与えてしまうことに気づきました。たとえば画像を作っている最中に記事本文の修正指示を挟むと、次に投稿の最終チェックを頼んだときに、画像側の確認が甘くなる、といった具合です。
もう1つの理由は「差し戻しのしにくさ」でした。投稿前に問題が見つかっても、どの工程で発生したミスなのか、1つの会話の中では切り分けにくいのです。そこで「工程ごとにフォルダを分け、それぞれに専用のAIエージェントを置く」という発想に切り替えました。人間の会社で編集部・ライター・デザイナー・校閲・広報が分かれているのと同じ考え方を、Claude Codeの中に再現したイメージです。
実際に組んだ8つの役割と担当フォルダ
試行錯誤の末、最終的に落ち着いたのが次の8つの役割です。それぞれに専用フォルダを用意し、フォルダの中にREADMEとして「このエージェントの仕事内容」を明記しています。
| 役割 | 主な仕事 |
|---|---|
| 司令塔 | 進行管理・各エージェント間の橋渡し |
| 市場調査 | どんな記事が求められているかを調査 |
| 記事作成 | 調査結果をもとにSEO記事を執筆 |
| 画像作成 | アイキャッチ・記事内画像・表やグラフを作成 |
| 投稿前チェック | 記事・画像の最終確認、必要なら差し戻し |
| 投稿 | WordPressの下書きへ投稿 |
| アフィリエイト(横断) | 広告案件の選定・記事への反映で収益化 |
| 被リンク(横断) | 外部サイトからの被リンク獲得を企画 |
ポイントは、最後の2つ「アフィリエイト」と「被リンク」を、特定の工程ではなく全工程を横断する係として置いたことです。収益化と外部評価という、ブログ運営で継続的に意識すべきテーマは、1つの工程に閉じ込めるより、いつでも口を出せる立場にしておくほうがうまく機能しました。それぞれの役割にどんな指示を与えているかは、CLAUDE.mdとスキル機能の実践ガイドでも触れている「専用の取扱説明書を持たせる」という考え方がベースになっています。

部署間の”申し送り”を仕組み化した「連携ログ」
役割を分けただけでは、実はうまく回りません。人間の会社でも部署が分かれているだけでは情報が伝わらないのと同じで、AIエージェント同士も「誰が何をどこまでやったか」を共有する仕組みがないと、同じ作業をやり直したり、申し送りが宙に浮いたりします。そこで導入したのが「連携ログ」という1つの記録ファイルです。
ルールはシンプルで、どのエージェントも作業を始めるとき・終えるとき・次の担当に引き継ぐときに、必ずこのログに一言残します。「市場調査担当が◯◯というテーマを提案し、記事作成担当へ引き継いだ」「投稿前チェックで画像のはみ出しを発見し、画像作成担当へ差し戻した」といった具合です。あわせて全体の進行状況を一覧できる管理表も用意し、今どの記事がどの工程で止まっているかを、司令塔役のエージェントがいつでも把握できるようにしています。

この「共有ログを介して申し送りをする」という仕組みは、Claude Codeのサブエージェント機能と組み合わせることで実現しています。サブエージェントの基本的な使い方や、作業を並行して進めるコツについては、Claude Codeの効率化テクニック集で詳しく解説しているので、これから導入する方はあわせて読んでみてください。
導入して実際に変わったこと
体制を切り替えて最も大きく変わったのは「問題が起きたときの原因の切り分けやすさ」です。以前は記事のどこかにミスが見つかると、原因を探るために会話全体を読み返す必要がありましたが、今は連携ログを見れば「どの工程で・誰が・何をしたか」が一目瞭然です。投稿前チェックでNGが出たときも、該当するエージェントにピンポイントで差し戻せるため、修正のスピードが体感で大きく上がりました。
画像の質も安定しました。画像作成担当が「執筆や投稿のことは考えず、画像だけに集中する」役割に絞られたことで、記事ごとの配色やモチーフの作り分けにきちんと手をかけられるようになったのです。以前のように「本文を書いた勢いのまま急いで画像も作る」状態から抜け出せたのは、役割を分離した効果を最も実感した部分でした。あわせて、アフィリエイトと被リンクの担当を横断係として置いたことで、新しい記事を作るたびに「この記事にはどの広告枠が合うか」「どんな被リンクを狙えそうか」を、書き終えてから考えるのではなく、企画段階から織り込めるようになりました。
実際にやってみて分かった落とし穴
もちろん、良いことばかりではありません。最初に8つの役割を一気に作ろうとしたときは、逆にログを書く手間が増えただけで、うまく回りませんでした。役割の境界があいまいなまま走り出すと、「これはどっちの仕事?」と迷う場面が増え、結局は司令塔役に確認が集中してしまったのです。振り返ってみると、最初から完璧な8体制を目指すのではなく、まず2〜3の役割で回してみて、手が回らなくなった工程から少しずつ増やしていくほうが、ずっとスムーズに定着しました。
もう1つの落とし穴は「任せきりにしない」ことの大切さです。役割を分けて自動化が進むほど、つい安心して細部の確認を怠りたくなりますが、投稿前チェックの工程だけは人間の目でも最終確認するようにしています。仕組みを作ることと、仕組みに丸投げすることは別物だと、身をもって学びました。仕組み化そのものをさらに一歩進めたい方は、Hooksやヘッドレス実行などを扱ったClaude Codeの高度な自動化ガイドも参考になるはずです。

自分のブログでも真似できる始め方3ステップ
この体制は、決して大規模なチームでなくても、個人ブログの運営者が1人で組めるものです。実際に取り入れる場合は、次の3ステップで進めるとつまずきにくいと思います。
- ステップ1:自分の作業工程を紙に書き出す。ネタ探し、執筆、画像、確認、投稿など、今どんな順番で作業しているかを一度洗い出す
- ステップ2:工程ごとにフォルダとREADMEを用意する。それぞれのフォルダに「このエージェントは何をする係か」「作業を終えたら何を記録するか」を明記する
- ステップ3:2〜3の役割から小さく始め、ログを運用しながら増やす。いきなり全工程を分けようとせず、負担を感じている工程から着手する
Claude Code自体をまだ使ったことがないという方は、まず基本的な使い方や料金からおさえておくと、この先の設定がぐっと理解しやすくなります。

なお、似たようなAIエージェントとしてOpenAIの「Codex」もありますが、複数の役割に分けてチーム運用する発想自体はどちらのツールでも応用できます。両者の違いが気になる方は、Claude CodeとCodexの比較記事も参考にしてみてください。
まとめ:AIは「使う」から「チームを作る」時代へ
Claude Codeを1人の万能アシスタントとして使うだけでも十分便利ですが、役割を分けて「小さなチーム」として運用すると、作業の質と原因の追いやすさが大きく変わります。大切なのは、役割を分けることそのものよりも、分けた役割の間で情報を確実に受け渡す仕組みを持つことです。
もし今、1つの会話であれもこれも頼んでいて「なんとなく回っているけれど、たまに抜け漏れがある」と感じているなら、まずは工程を2つか3つに分けてみるところから試してみてください。人間の会社と同じで、役割と申し送りさえ整えば、AIチームも驚くほど安定して働いてくれます。


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